「高等専修学校」ってご存知ですか?
あまり聞き慣れないかもしれませんね。
「高等専修学校(専修学校高等課程)」とは、中学卒業後、自分の夢や目標をかなえる為の専門的な勉強ができる学校です。
中学卒業後の進路として、高等専修学校はとても魅力的な選択肢のひとつ。
でも認知度がイマイチなんですよね(^^;)
今日は私の長男が中学卒業後に進学した「高等専修学校」についてお話をします。
長男が高等専修学校に進学した経緯
当ブログでは娘の不登校をよく取り上げていますが、実は長男も中学校でややこしくなりました(^^;)
どうもうちの子供たちは中学校と相性が悪いみたい。
長男は小学校の頃は、勉強も運動も美術も音楽もオールマイティーに出来る子でした。
友達も多く、性格は明るく優しく元気。
だから、地元の公立中学に進学する時も、長男に関しては何の心配もしていませんでした。
この子なら大丈夫だろう、と。
中学に上がり、
「こんなに中学って楽しいと思わんかったわ!小学校と比べものになれへんわ!」
と言う息子を見て、毎日楽しく通えて良かったわ~とほっとしていました。
しかし・・・。
夏休みが明けたある日、学校から急に呼び出しの電話。
提出した夏休みの宿題に不備があり先生に怒られた際、息子が先生に暴言を吐いた、と。
今まで人に対して暴言なんて吐いたこともないあの子が???
と半信半疑で学校に行き先生方と話をしました。
それを皮切りに、息子はどんどんどんどん荒れて行きました(^^;)
坂道を転げ落ちるように、って正にこんな感じなのね~
というくらい、それはもう勢いよく荒れて行きました。
不登校の娘の時はスクールカウンセラーさんのカウンセリングに通っていましたが、息子の時もカウンセリングに通っていました、警察の。
警察は非行傾向のある子どもとその保護者に対して、カウンセリングを行っているんですよ。
(自治体によるかも?)
生まれて初めて警察手帳を見せられ、息子と二人で盛り上がりました。
そんなこんなで、もう思い出すのも嫌なので、あまりブログに息子の中学時代の事は書いていません。
(今はすっかり元通りに落ち着いていますが(^^))
荒れた中学時代を過ごした息子は、一般的な高校に進学するという選択ができませんでした。
学校から薦められた進学先は通信制高校(クラーク)でした。
しかし息子はあまり乗り気ではなく・・・。
というのも、息子は調理師になりたいと考えていたからです。
(ワンピースのサンジに憧れて、だそうです(-_-))
そこで息子が進学先に選んだのが、高卒資格と調理師免許が同時に取得できる高等専修学校でした。
高等専修学校って何?
専門学校なの?
高校なの?
と悩ましい名称ですね。
高等専修学校とは専修学校のひとつで、仕事に直結した能力を身に付けるため職業教育をメインにした学校です。
学校教育法で定められた正規の学校で、中学卒業後に進学できます。
学校教育法124条に規定されている専修学校の目的は、
専修学校には3種類あります。
この内中卒の人を対象とした専修学校高等課程を「高等専修学校」と呼びます。
一般の高校と同じ教育機関ですが、高校の枠に収まらない多彩な教育を行っています。
高等専修学校には8つの分野があります
高等専修学校は、文部科学省により以下の8つの分野に分類されています。
1.工業関係
情報処理、コンピュータグラフィックス、自動車整備、土木・建築、電気・電子、放送技術など
2.農業関係
農業、園芸、畜産、造園、バイオテクノロジー、動物管理など
3.医療関係
看護、歯科衛生、歯科技工、臨床検査、診療放射線、理学療法、作業療法など
4.衛生関係
栄養、調理、製菓、製パン、理容、エステ、メイク、ネイルなど
5.教育・社会福祉関係
保育、幼児教育、社会福祉、医療福祉、介護福祉など
6.商業実務関係
経理・簿記、旅行・観光・ホテル、会計、経営、医療秘書、流通ビジネス、ビジネスなど
7.服飾・家政関係
ファッションデザイン、ファッションビジネス、和洋裁、編物・手芸、スタイリストなど
8.文化・教養関係
デザイン、インテリアデザイン、音楽、外国語、演劇・映画、写真、通訳・ガイド、公務員など
高卒資格も取れます
大学入学資格付与指定校
高等専修学校は1年制から5年制まであり、学科によって多くのコースがあります。
3年制以上の学校で、文部科学大臣が一定の要件を満たしていると認めた指定校の修了者は、高校卒業者と同等以上の学力があると認められ、大学や専門学校の受験ができます。
この指定校のことを「大学入学資格付与指定校」と言います。
技能連携校
高等専修学校の半数近くが、高校の定時制または通信制課程と技能連携を行っています。
それを技能連携校と言います。
技能連携校では高等専修学校と高校のカリキュラムを同時に学べるので、卒業時には2つの学校の卒業資格を得ることができます。
つまり、私の長男が通っていた調理師学校の場合だと、調理師免許と高校卒業資格の2つが卒業時に取得できます。
「2校に在籍したら学習量が増えて大変じゃない??」
と思うかもしれませんが、ご安心を(^^)
技能連携校では取得した単位を通信制高校の単位として組み込めるんです。
通信制高校の卒業条件は74単位以上ですが、技能連携校を使うと通信制高校で取得する単位は、通常の半分程度で済みます。
また、生徒の負担を減らすための制度なので、専修学校への通学のみでOK。
通信制高校の先生が専修学校で授業をしてくれるんですよ。
我が家の長男が通っていた学校は、通信制高校の先生が常駐されていました。
ちなみに、話はそれますが。
あの有名な宝塚音楽学校。
予科1年・本科1年(通算2年)通う宝塚音楽学校の種別は「各種学校」。
ゆえに宝塚音楽学校を卒業しても高卒資格は取得できません。
希望者のみ高校卒業単位取得授業が行われています。
そういえば、真矢ミキさんが53歳で「高等学校卒業程度認定試験」に挑んで話題になっていましたね。
登校型の通信制高校も専修学校がたくさんあります
最近増えている登校型の通信制高校も、専修学校にあたる高校が多くあります。
例えば全国規模でキャンパスが設置されているクラーク国際記念高等学校。
専修学校部分で特色のある授業を行う様々なコースを受講し、同時にクラーク記念国際高等学校を併修することになります。
他にもバンタングループのバンタンデザイン研究所高等部や、製菓のレコールバンタン、バンタンゲームアカデミーなども専修学校で、高卒資格も取得できます。
高等専修学校のメリット
一足早く夢を実現する為の専門的な勉強ができる
高等専修学校は、学習指導要領の適用を受けない学校です。
ゆえに職業教育に特化した学校づくりができるので、将来の目標を明確に持っており、少しでも早く専門的な勉強をしたい生徒さんにおすすめしたい進学先です。
専門学校で勉強する内容を高校生が勉強できるとイメージされると分かりやすいですね。
調理師、理美容師などの国家資格も取得できたり、簿記など社会で直接役に立つ勉強が出来たり、音楽やダンスなど芸能の勉強もできます。
中学で不登校や高校中退者が進学先として選択できる
中学卒業者を対象としている高等専修学校ですが、学校によっては元不登校の生徒や高校中退者も結構な割合で入学しています。
というのも、内申点や学力は受験の際重視されないからです。
ここで学びたい人はどうぞ!というスタンスなので、多くの方が合格できると思います。
ひきこもりや不登校、高校中退など辛い経験があり一般の高校受験を前向きに考えられない場合や、特定の分野に興味や関心を持っているなら、進学先の選択肢の一つとしておすすめできます。
高等専修学校の学費はどれくらい?~息子が進学した調理師学校の場合
高等専修学校や技能連携校の学費は、学習する専門分野によってもかなりの差があります。
参考としまして、私の息子が進学した調理師学校の学費はどれくらいかかったかと言うと・・・。
年間学費 約85万円(実習費込)ー 就学支援金 約18万円 = 約67万円
専修学校の就学支援金は、一般の高校よりも上乗せがあります。
(※通常は年間約12万円)
(※所得制限あり)
●初年度は、これに入学金、制服代などが必要になります。
●修学旅行の積み立て費も別途必要です。
息子の修学旅行積み立て費は月額7000円でした。(国内)
旅行先によって金額は異なります。
●電車通学やバス通学は別途交通費が必要です。
私立高校並みですね。
でもこの学費で専門学校と同等の勉強ができ高卒資格も取得できると考えれば、決して高くないかもしれません。
まとめ
この記事では、息子が中学卒業後に進学した高等専修学校についてご紹介しました。
息子の学校は、調理に興味がある生徒、元不登校の生徒、勉強が苦手な生徒、と色んな同級生がいます。
やんちゃな生徒がいるのかと思いきや、今時はあまりいないようです。
受験に内申点が関係がないからか、生徒の成績はピンキリ。
調理師学校なのでアルバイトは学校が積極的に紹介してくれます。
成績の良い生徒はホテルの調理のアルバイトを紹介してもらい、そのまま就職する場合もあるそうですよ。
生徒たちは皆真面目で雰囲気も良さそうです。
というわけで、高等専修学校は、
- 専門的な技術や知識が学べる
- 大学入学資格付与指定校なら大学受験資格が取得でき、技能連携校なら高卒資格が取れる
- 元不登校生や勉強が苦手な生徒も進学できる
などなど、メリットがたくさん。
中学卒業後の進路の一つとしてぜひ!
その後息子は通信制高校に転入しました
コメント