HSPやHSCという言葉を最近よく耳にしませんか?
以前ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんもHSPである事をツイッターで公表されていました。
ロンブー田村淳さんのHSP処世術「周りと意見が合わない時は、HSPのせいにしてます(笑)」 | ダ・ヴィンチニュース
ダ・ヴィンチニュースで『即動力 (SB新書)』(田村 淳/SBクリエイティブ)のあらすじ・レビュー・感想・発売日・ランキングなど最新情報をチェック!ダ・ヴィンチニュースは、漫画や小説など様々なジャンルの本に関するニュースサイトです。HSP,芸人
HSPとはHighly Sensitive Personの略でアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が1996年に発表した概念。
生まれつきとても敏感な感覚や感受性を持った人たちのことをいいます。
ちなみにHSPは病気や障害ではなく、生まれ持った気質であり後天的に形成される性格ではありません。
そして、このような気質を持った子供のことをHSC(Highly Sensitive Child)と言います。
子育てする中で「何でうちの娘だけ??」と感じる出来事がしょっちゅうあり、母親として悩み続けました。
ですが、HSP/HSCという概念を知りチェックをすると、
と、ストンと腑に落ちたのです。
私はHSP/HSCを知る事で精神的にとても楽になったので、もしお悩みの方がいらっしゃいましたらぜひ参考にどうぞ。
HSP/HSCとは?
アーロン博士によると、人口の15~20%、つまり5人に1人はHSP/HSCだそうです。
ですが人間だけではなくイヌ、ネコ、鳥、魚など100種類以上の動物にもみられる気質なので、繊細さは生き残るための生存本能の一つだと考えられています。
こうした気質を持つ人は、生活の様々な場面で気疲れしやすく生きづらさを感じる事が多いのです。
ではHSP/HSCはどんな特徴があるのでしょうか。
アーロン博士によると、「DOES(ダズ)」と名付けられた4つの大きな特徴があります。
- 【Depth of processing】深く考え、深く処理する
- 【Overstimulation】過剰に刺激を受けやすい
- 【Empathy and emotional responsiveness】全体的に感情の反応が強く特に共感力が高い
- 【Sensitivity to subtleties】ささいな刺激を察知する
それぞれの特徴の具体例を挙げると以下の通りです。
- 物事を深く掘り下げるので知識が豊富
- 物事の本質を見抜く
- 物事を深く考えるので行動までに時間がかかるので臆病に見られがち
- 浅くて軽いノリが苦手
- 哲学などに興味持ちがち
- 人混み、大きな音、騒音などが苦手
- 他の人が気にならない事が気になり、友達と一緒に過ごすと疲れる
- 人の些細な言動に傷つき忘れられない
- 人が怒られているのを見ると自分のことのように感じ辛く苦しくなる
- 人の悲しみや苦しみ、不安などのネガティブな感情を強く受け取る
- 聴覚や嗅覚が敏感
- 添加物などに敏感に反応
- 勘が鋭い
ここで重要なのは、先ほども述べた通りHSP/HSCは生まれつきの気質であり、ネガティブなものではありません。
原因は何か探してみても見つかりませんよ。
HSCの特徴~娘の不登校との関係
では子供の場合、HSCの特徴はどんな風に出てくるのでしょうか。
- 登園しぶりや不登校
- 他の子が叱られているのを見て一緒にダメージを受ける
- 集団生活が苦手
- 給食が苦手
- まじめで自分に厳しい
このブログを書いていて、ほぼほぼ私の娘の事を書いているようです(^_^;)
以上の特徴について、私の娘はこんな感じでした。
①の登園しぶりや不登校。
娘は幼稚園3年間の内、2年と数か月は毎朝バスに乗る時号泣でした。
HSCの子供は保護者と離れるのが辛い傾向があるそうです。
幼稚園に行き担任の先生に抱っこされたり仲の良いお友達と一緒になると安心して泣き止むのですが。
でも参観などで私の姿をひとたび見ると、参観が終わり私が帰ろうとするとまた号泣。
これが小学1年生まで続きました。
年長さんの最後の参観まで私が帰ろうとすると号泣するので私まで悲しくなり号泣し、クラスのお母さんたちに慰められた思い出があります。
長男は幼稚園が大好きでいつまでも幼稚園に居残ろうとする園児だったので、長男とのあまりの違いに驚き悩みました。
②娘が小学校4年生の時の担任の先生が超絶ヒステリックな女の先生で、四六時中クラスの子供を叱っていました。
娘は大人しいので直接叱られる事はなかったのですが、クラスメイトが叱られるたびに自分まで苦しくなり、結局それが原因で登校する事ができなくなりました。
他者の感情を自分の取り込んでしまう傾向があるので、人が大声で叱ったり感情的に叱ったりする場面は大の苦手です。
③たくさんの人と一緒にいると疲れます。
情報や刺激がたくさん入ってきて、精神的にも肉体的にも疲れてしまいます。
なので娘は学校では一人で過ごす事が多かったです。
でも一人で過ごしたいのに、一人で過ごしていたら「ぼっち」扱いされ気まずいので、仕方なく人と過ごす。
それがまた辛くなり、悪循環に陥り登校できなくなりました。
④HSCの子供は味や食感にも敏感なので、食べ物が受け付けないことも多いようです。
ですが、娘の学校は班を作って給食を食べ、食べ残しは許してもらえず完食を強要されます。
班の人が全員食べ終わるまで席を立つ事は許されません。
それがまたプレッシャーになり、無理やり給食を食べて嘔吐することもありました。
⑤娘は私から見てもとてもまじめで優しいです。
しかし自分には厳しく、それがゆえに自分自身をネガティブに捉える傾向があります。
十分頑張っているのに「自分は全然できない」というのです。
その結果、自己肯定感が低くなりがちです。
HSCの子供にとって学校での集団生活は厳しい事が多く感じます。
娘の場合は不登校につながる結果となりました。
もちろんHSCの子供がみんな不登校になるとは限りません。
HSC【23のチェックリスト】
HSCかどうかは以下の23のチェックリストの内いくつ当てはまるかで判断できます。
どちらかといえば当てはまる場合や過去に多く当てはまる場合は「はい」、まったく当てはまらないかほぼ当てはまらない場合は「いいえ」を選びましょう。
23のチェックリスト
- すぐにびっくりする
- 服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
- 驚かされたりするのが苦手である
- しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある
- 親の心を読む
- 年齢の割りに難しい言葉を使う
- いつもと違うにおいに気づく
- ユーモアのセンスがある
- 直感力に優れている
- 興奮したあとはなかなか寝付けない
- 大きな変化にうまく適応できない
- たくさんのことを質問する
- 服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
- 完璧主義である
- 誰かがつらい思いをしていることに気づく
- 静かに遊ぶのを好む
- 考えさせられる深い質問をする
- 痛みに敏感である
- うるさい場所を嫌がる
- 細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく
- 石橋をたたいて渡る
- 人前で発表するときには、知っている人だけのほうがうまくいく
- 物事を深く考える
13個以上が「はい」→おそらくHSC だそうです。
自分や子供さんがHSCに該当したとして不安を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫ですよ。
こういう子供なんだ、こういう特性なんだ、と把握することで、納得もできますし対処もできますから。
私は娘に対して「何で????」と思っていた事がHSCの特性だと知りとても腑に落ちたので。
また、HSCはその繊細さから人にはない素晴らしい能力を発揮できる事も。
実家の家族と娘と一緒にカラオケ屋さんに行った時、娘が「ここ歯医者さんの匂いがする」というのです。
そのカラオケ屋さんは10数年前まで確かに歯医者さんだったのです。
娘は非常に匂いに敏感です。
香り系の職業に就いたら?と薦めたくらいです。
日本の集団社会の中で時には生きにくさを感じるかもしれませんが、持っている良い所を伸ばせる可能性がとても高いと思います。
繊細さ、敏感さは長所なのです。
HSP/HSCに関する書籍
HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子
HSCの子育てについてイラストも多くとても分かりやすく書かれています。
幼稚園や小学校の教育関係の方にも読んでいただきたいです。
HSCは、ほめられて伸びる子です。HSCに、厳しいしつけや叱責は、逆効果です。安心できる環境で、ほめられて育ったHSCは、他の子よりも、プラスの影響をより強く受けるのです。~引用元:アマゾン
鈍感な世界に生きる 敏感な人たち
HSPの特性と分析、そして対処法がうまくまとめられている良書。HSPを肯定的に捉えられるようになります。
なぜこんなに音・におい・相手の表情が“気になってしかたがない”のか?「交友関係は狭いけれど深い」「競争や諍いは苦手だからしない」「ゆっくりだけど深く考える」…5人に1人が該当するHSP(とても敏感な人)が生きづらい世の中を“敏感さを武器”に強く生き抜くヒント。~引用元:アマゾン
繊細さんの本
HSPの存在が世の中で広く認知されるきっかけになった本です。
「まわりに機嫌悪い人がいるだけで緊張する」「相手が気を悪すると思うと断れない」「疲れやすく、ストレスが体調に出やすい」「細かいところまで気づいてしまい、仕事に時間がかかる」そんな「繊細さん」たちから、「人間関係も仕事もラクになった!」と大評判。予約殺到の「HSP(とても敏感な人)専門カウンセラー」が教える初めての本! ~引用元:アマゾン
HSCを守りたい
子供さんがHSCで子育てに悩んでいる保護者向けの本です。
当ブログのイラストを描いていただいた永富月来子さんが表紙絵を描かれました。素敵。
「学校に行きたくない」と言われたらどうしますか?
子どもの気持ちに寄り添いたいと思っている親御さんへ。
敏感で繊細な子どもたちが幸せな未来を築けますように。
本書は、HSCの子を持つ18人の母親たちが著者と一緒に作った本です。~引用元:アマゾン
まとめ
HSCの子供の特性を知れば、子育てで悩んでいた事に光が見えてくると思います。
HSP/HSCだけではなく、色んな気質を持った子供達が学校や社会で心地よく過ごせ、その長所がいかんなく発揮できる世の中になると良いなと思います。
では(^^)/
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