小幡和輝著『ゲームは人生の役に立つ。生かすも殺すもあなた次第』

ゲームは人生の役に立つ

今日は本のレビューです。

読んだ本は小幡和輝著『ゲームは人生の役に立つ。生かすも殺すもあなた次第』。
小幡さんのゲーム観+4名の方との対談という内容になっています。

不登校の子供だけではなく、小中学生の子供を持つ保護者の方で子供のゲームに困っている方も多いはず。
そんな方にぜひ読んでいただきたい本です。

Contents

子育てとゲームと私

ゲームと子育て

私は普段ゲームをしません。
長らく楽しんでいたツムツムも、ブログを始めた事により飽きてしまい、やめてしまいました。

実は私にとってゲームは、楽しむものではありませんでした。
というのも、長い子育てにおいてゲームにのめりこむ息子と戦って来たからです。

「DSは1日1時間だけやで!」
「みんなで遊ぶんやったらゲームせんと外で元気に遊んでおいで!」
「また誕プレは遊戯王カードなん?」
「課金は絶対あかんで!」

母である私にとって、ゲームはまさに天敵。

私がゲームを敵視するに至ったのには理由があります。
子供が赤ちゃんの頃『ゲーム脳の恐怖』という本を読んでしまったからです。

子どもたち、若者たちに蔓延するテレビゲーム。著者は、脳への恐るべき影響を、脳波計測データを解析し、明らかにした。意欲、判断、情動抑制など、人間らしさを保つために重要な働きをする前頭前野が、ゲーム漬けで危機に瀕している。どうすれば回復させられるか。脳神経科学者からの警告。引用元:Amazon

著者の偏った主観と偏見に満ち満ちた本だと今なら思うのですが、当時新米ママだった私はまるっと信じ込んでおりました。
なので、この可愛い我が子を将来絶対ゲーム漬けにはするもんか!と固く決心しておりました。
(その後おばあちゃんからプレゼントされたDSでもろくも崩れ去る)

が、子供が大きくなるに連れ、ゲームを制限なんて出来ないことに徐々に気づきました。
最近に至るまで、ゲームはやはり悪い影響が多いのではないかと疑っていました。
この本を読むまでは・・・。

『ゲームは人生の役に立つ』を読んだきっかけ

ゲームは人生の役に立つ。


私は娘の不登校で悩んでいた頃、『学校は行かなくてもいい』という本を読み小幡さんを知りました。
この本のお陰で、娘の不登校に対して辛く感じていた思いが随分楽になり、著者の小幡さんには非常に感謝しています。
不登校で辛い思いをされていらっしゃる方にはぜひオススメです。

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その小幡さんがTwitterで書籍プレゼントの告知をされていたので、応募してプレゼントしていただきました(*^^*)

先ほどにも述べたようにゲームに対してはあまり良い印象はないけれど、小幡さんの本なら読んでみようかな~という軽い気持ちでした。

小幡さんのゲーム観

とかく「ゲーム」は否定されがちですよね。
本著でも「ゲーム脳の恐怖」の影響も触れられています。
でも本当にゲームって害悪なのでしょうか?

最近では香川県のゲーム規制条例も大きな問題になりました。

ではなぜゲームはダメで囲碁や将棋はOKなのか?
なぜゲームはダメでスポーツはOKなのか?

明確に回答できる人はいないんじゃないかと思います。

「またゲームばっかりして!」
と叱るのに

「また将棋ばっかりして!」
とは叱らない。

将棋もゲームのはずなのに。

未だに世間のゲームに対する偏見は根強く残っています。
しかし、小幡さん自身が不登校だった際、そのゲームに人生を救われたのです。

そこで日本社会におけるゲームのイメージの誤解を解消するべく、本の出版を通してゲームのイメージを変えようと執筆されました。

小幡さんはこの本の中で以下の観点からゲームがいかに人生に役に立つのかを具体的に述べられています。

  • 教育
  • 人間関係
  • コミュニケーション
  • ビジネス

ゲームはもうただの遊びという単純な物ではなく、私たちの生活の中で無視できないほど大きな存在になっていると言えますよね。

画像をクリックすると無料で試し読みが出来ます

ゲームは人生の役に立つ

茂木健一郎さんとの対談

囲碁とゲーム

私が本著の中で特に興味深く読んだのは、脳科学者の茂木健一郎さんとの対談でした。

日本では

ゲームはダメだけど囲碁はいい、読書はいい


という古い学力観に囚われ「ゲーム脳」が取り沙汰されていた頃、アメリカではゲームによって脳の情報処理機能が向上するという論文が発表されています。

その結果が公教育におけるアナログとデジタルの差。

アメリカでは紙の教科書も板書もせず、パソコンやタブレットを使用して生徒各々の進度に合わせて勉強を進めていくのが最近のトレンドだと報道で知りました。

ゲーム感覚でどんどん進めていくそうです。

日本のように「一斉授業でみんな一緒に同じ勉強する」というのは、非常に合理性に欠けると思うのですが、それが現在の日本の公教育の今であり、多様性はバッサリ切り捨てられます。

こういった教育制度はホワイトカラーを大量に生み出すには向いていますが、AIの発展によって今後価値がなくなるのかもしれません。

日本の公教育は旧態依然としていますが、一条校※ではない新しいタイプの学校ではUnityを使って自分でゲームを作ったり、プログラミングを勉強したりマインクラフトで新たな可能性を模索したり、とゲームを学びに取り入れ、学びを楽しくしています。

これは非常に大切な事だと感じます。

だって、茂木さんが仰るように、入試向けの学力をいくらつけても、これからの文明には太刀打ちできないからです。

※一条校(いちじょうこう)とは、学校教育法(昭和22年法律第26号)の第1条に掲げられている教育施設の種類およびその教育施設の通称

終わりに

以前はゲームといえば一人画面に向かって黙々と遊ぶものが主流でしたが、今は違います。

私の子供たちが最近はまっていたゲームといえば、マインクラフトや人狼ゲーム。
それらのゲームは人とコミュニケーションをとると同時に、思考力や課題解決能力もかなり必要です。
また、ポケモンGOのように体を動かすゲームもあり多種多様な現在。

ただ闇雲に「ゲームはダメだ」と言うのではなく「ゲームと共存する」術を身に着け、「ゲームをうまく利用する」べき時代がやってきたのではないでしょうか。

なので、私の様にゲームに対してまだちょっぴり偏見を抱いている方に、子供がゲームにはまって困っているお子さんをお持ちの親御さんに、この本をオススメします。
ゲームに対する考え方が変わる事間違い無しですよ(*^^*)

著:小幡和輝
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